
ホテルなおき(能登観光ホテルなおき)
石川県七尾市の和倉温泉にあった大型宿泊施設「ホテルなおき」は、明治期に「直木」として創業し、昭和期に「能登観光ホテルなおき」などの名称を経て規模を拡大した老舗の温泉ホテルである。最盛期には全七十数室・数百人規模を収容し、七尾湾を望む高台に九階建ての建物がそびえていた。バブル期には高い売上を記録したものの、その後は経営が悪化し、二〇一四年五月に資金繰りの行き詰まりから閉館した。以後は無人のまま残され、割れた窓や傷んだ内装をさらす大規模廃墟として、能登半島を代表する心霊スポットのひとつに数えられるようになった。 紹介されている怪異は、無人のはずの客室の窓越しに女性の姿を見たという話や、宴会場や廊下の方向から複数の話し声・物音が聞こえたというものが中心である。海に面した立地ゆえ、割れた窓を潮風が吹き抜けるときの音が、建物のうめき声のように感じられるとも言われる。華やいだ宿泊業という性格と、資金難による突然の閉館という結末の落差が、廃墟の重い空気とともに、こうした噂を呼び込む土壌になっていると見られる。なお建物は所有者のある廃墟であり、崩落や残置物による事故の危険が高いため、外部から望む範囲にとどめるのが妥当である。










