
仲哀隧道(旧仲哀トンネル)
福岡県京都郡みやこ町と田川郡香春町の境、仲哀峠に位置する旧仲哀トンネル(仲哀隧道)は、明治17年(1884年)に着工され明治22年(1889年)に完成した、日本最古級の国道トンネルとして知られる。全長432メートル、内壁の両端部は煉瓦と石造で固められ、中央部は素掘りのまま残されている。馬蹄形の坑口周りには花崗岩の切石が用いられ、煉瓦積みの坑門がその意匠を引き立てている。昭和4年に幅員が拡張されたが、昭和42年(1967年)に新トンネルが開通してからは旧道として残された。現在は落盤の危険から柵で閉鎖されている一方、国の登録有形文化財として保存されている。 この一帯が心霊スポットとして知られるようになった背景には、昭和38年(1963年)から翌年にかけて発生した連続殺人事件がある。集金中だった専売公社職員とその運転手が何者かに襲われ、運転手が仲哀峠付近で絞殺された遺体で発見された事件で、犯人は最終的に死刑判決を受けた。事件現場としての印象が強く残るなかで、坑内に狐火のような光が並ぶ、入口付近にあった公衆電話に女性の姿が現れる、通過した後に事故に遭うといった噂が生まれ、語られるようになったとされる。実際の事件の記憶と、闇に沈む煉瓦造りの坑門という光景が結びつき、この場所を心霊スポットとして印象づけている。










