
兵庫県 宍粟市·山道・峠
千種高原の白骨遺体伝説
千種高原は兵庫県宍粟市北西部の中国山地に位置し、三室山(1,358メートル)や後山(1,345メートル)の山々に囲まれた標高千メートル級の高原である。古代から近代まで、この地では「千種鉄」と呼ばれる高質量の砂鉄を用いたたたら製鉄が営まれ、中世以降は備前の刀匠に珍重される刀鍛冶の材料を供給してきた。明治期の近代化により製鉄業は衰退したが、山中には鉄穴流しの跡や炭焼き窯、たたら場の遺構が残存している。 高原と周辺山域では冬季の積雪と濃霧が深く、道を見失う登山者の遭難が過去に報告されている。低体温症や雪崩の危険も高く、標高や悪天候による遭難リスクは実在する。地域社会では山で命を落とした者への慰霊が大切にされており、登山口には地蔵や道標が設置され、慰霊の伝統が守られている。