
湯沢町旧苗場スキー場廃施設
新潟県南魚沼郡湯沢町は、バブル期に大規模なスキーリゾート開発が進んだ町で、町内には当時造成され、その後の需要減で完全に廃業した小規模スキー場の施設跡がいくつか残されている。そのうちのとある廃施設跡が、シーズンオフの夜に「ゲレンデを滑る誰か」がいると語られる心霊スポットとして、地元のスキー客の間で静かに知られている。 寄せられる体験談で繰り返し語られるのは、雪のない時期に廃ゲレンデを白い人影が滑り降りていくのを遠目に見た、というものである。明らかに人と分かる輪郭が斜面を滑走し、リフトの起点付近で消えた、と語る訪問者がいる。廃リフトの方向から金属が擦れる音が断続的に響いた、廃ロッジ周辺で複数人の話し声が聞こえたという書き込みもあり、現象はスキー場という機能を失った場所に、過去の賑わいが薄く再生されているような印象を残す。 地元では、スキー中の事故で命を落とした人々の魂が、慣れ親しんだゲレンデを離れずに滑り続けているという解釈が穏やかに語られてきた。バブル期から平成にかけての日本のレジャー文化を象徴する場所でもあり、現象の話は娯楽産業の盛衰そのものへの感傷と切り離せない文脈で語られる場合もある。 廃スキー場の施設は所有者が存在する私有地であり、リフト・ロッジ・ゲレンデのいずれも老朽化と崩落の危険を伴う。立ち入りは不法侵入と重大事故のリスクが極めて高い。心霊目的の訪問は厳に控え、関心がある場合はリゾート史を扱う郷土資料を通じて接すること。