
万座毛
万座毛は沖縄県恩納村の海岸に立つ絶景の名所として知られる一方、古くから「崖の縁で人影を見た」「夜間に女性の泣き声が聞こえた」という噂が地元で語り継がれているとされる。太平洋戦争末期、沖縄各地では多くの民間人が追い詰められた末に命を落としたとされており、万座毛周辺もその悲劇と無縁ではなかったという言い伝えが残っている。日没後に崖の縁へ近づいた観光客が「背後から肩を叩かれた気がした」「カメラに白い靄が映り込んだ」といった体験談をSNSに投稿する例も散見され、心霊スポットとしての噂は静かに広まっているようだ。また、象の鼻と呼ばれる岩塊の付近では、晴天時にもかかわらず「急に体が重くなる」「めまいを感じた」と訴える訪問者がいるとも言われている。 万座毛の名は18世紀初頭、琉球第二尚氏王朝13代王・尚敬が「万人が座せる原っぱ」と称えたことに由来するとされ、琉球王府の地誌『球陽』にもその故事が記されている。地形は約20万年前以上かけて形成された琉球石灰岩(隆起珊瑚礁)が海食によって切り立った崖で、標高は約20メートル。崖上には沖縄県天然記念物に指定された海岸植物群落が広がり、整備された遊歩道に沿って見学できる。2020年には周辺活性化施設も完成し、観光拠点として整備されている。