旧卒塔婆トンネル(卒塔婆隧道)
和歌山県上富田町と白浜町の境、卒塔婆峠に架かる隧道。1930年(昭和5年)に竣工した全長約90メートルの手掘りトンネルで、切石を積んだ坑門には笠石や扁額などの装飾が施されている。1975年に隣接する新トンネルが開通したことで通行量が減り、1985年には県道の指定が外れて町道として管理されるようになった。現在も林業などのために使われることがあるが、旧道の舗装は崩れ、荒れた状態が続いている。 トンネルの名称は仏教で墓地に立てる木の板「卒塔婆」に通じる言葉であり、由来を明記した記録は見当たらない。この不吉な響きの名前とともに、車でトンネルに入りエンジンを止めると再び始動しなくなるという噂が知られ、老いた人物の霊が現れるという話も伝えられている(この霊の話は一部の紹介サイトのみで見られる伝聞である)。過去に事故や事件が確認された記録は見当たらないが、手掘りの坑内と昭和初期の装飾が残る坑門という古い姿が、独特の雰囲気を醸し出している。