姿の池
姿の池は埼玉県横瀬町にある農業用のため池で、江戸時代の地誌『新編武蔵風土記稿』にも景勝地として記載されている。かつては水面が鏡のように澄み、そこに姿が映ることからこの名がついたと伝わる。池にまつわる話として、堤防の決壊が繰り返されたため、通りかかった旅の尼僧を人柱として堤に埋めたという伝承が残る。その後、決壊は収まったものの、静かな晩に読経の声が聞こえたり、池の面を歩く尼僧の姿が見えるといった噂が広がった。これと前後して若い女性が池に身を投げる出来事が相次いだとされ、尼僧の祟りと結び付けて語られてきた経緯がある。村人が池のほとりに石仏を建てて供養を行うと、こうした出来事は次第に落ち着いていったという。現在の池は錦鯉が泳ぎ釣り人も訪れる静かな水辺だが、立ち入りは禁止されており、羊山公園に隣接するため芝桜の季節には多くの人が近くを訪れる。