
埼玉県 鴻巣市·宿泊・居住跡
旧吹上ホテル廃墟
埼玉県鴻巣市の吹上地域は、江戸期に中山道沿いの間の宿として発展した土地である。1885年の高崎線開設に伴い吹上駅が開業し、以後、北埼玉地域の交通拠点としての性格を帯びた。戦後から高度経済成長期にかけ、周辺の市街化に伴い、結婚式場・宴会場・宿泊施設といった婚礼・冠婚葬祭関連の施設が集積した。旧吹上ホテルはそうした施設の一つとして、地元住民の人生の節目を迎える場として長く利用されてきた。施設の廃業後、建物は外観を保ったまま放置されることになり、かつての賑わいと現在の寂然とした状況の落差が、来訪者に記憶と時間経過を意識させる存在となっている。