
葛木二上神社
奈良県葛城市染野、二上山雄岳の山頂付近に鎮座する葛木二上神社は、豊布都霊神と大国魂神を祀る式内大社である。創建年代は明らかでないが、『日本三代実録』貞観元年(859年)の記事に神階授与の記録があり、古くから二上山の水源を利用する近隣の村々の氏神として信仰されてきた。近世には「岳の権現」と称された。社殿は1974年の二上山大火で焼失し、翌年に再建されている。東側には、謀反の疑いで処刑された飛鳥時代の皇子・大津皇子の墓が置かれている。こうした歴史を背景に、境内では丑の刻参りに使われたとされる五寸釘や藁人形が見つかる、足音や物音が聞こえるといった噂が広まっている。加えて、山中でバラバラにされた遺体が発見されたという話も伝わるが、葛城市内で該当する事件の記録は確認されていない。1985年に大阪で発生した殺人事件で、被害者の遺体の一部が奈良県北葛城郡広陵町の農道脇で発見された経緯があり、この近隣での事件報道が神社の噂と結び付けられ、都市伝説として形を変えて広まったとみられる。