旧阿蘇大橋
熊本県南阿蘇村、国道325号が黒川を渡る地点に架けられていた橋で、1970年に竣工し翌1971年に開通した。開通当初は橙色に塗装されていたことから「赤橋」と呼ばれた。深い渓谷に架かる高さのある橋で、投身自殺が相次いだ時期があり、1981年から2011年までの間に59件の事案が確認されたとされる。県は1990年頃の柵の設置に続き、塗装を灰色に変える対策や、忍び返し付きで高さ約2メートルのフェンスの追加といった措置を重ね、橋のたもとには思いとどまるよう願う地蔵も置かれた。こうした経緯を背景に、橋の上で人影を目にした、女性のものとされる声を耳にした、体調に異変を覚えた、理由もなく車を停めたくなったといった体験がインターネット上でたびたび語られている。2016年の熊本地震では本震により橋が崩落し、通行中だった車両が巻き込まれ、乗っていた大学生が同年8月に遺体で発見される被害が生じた。橋は2021年、下流側に再建された新阿蘇大橋へ役割を譲り、崩れた旧橋桁は震災の記憶を伝える遺構として現地に保存されている。