橋・高架·熊本県 南阿蘇村
旧阿蘇大橋
熊本県南阿蘇村、国道325号が黒川を渡る地点に架けられていた橋で、1970年に竣工し翌1971年に開通した。開通当初は橙色に塗装されていたことから「赤橋」と呼ばれた。深い渓谷に架かる高さのある橋で、かつて身を投げる人が後を絶たない時期があったと伝えられ、県は柵の設置や塗装の変更といった対策を重ね、橋のたもとには思いとどまるよう願う地蔵も置かれた。こうした経緯を背景に、橋では欄干のあたりに立つ人影を見た、谷底から声のようなものが聞こえた、霧の夜に影が現れたといった噂が語られるようになった。2016年の熊本地震では本震により橋が崩落し、大きな被害が生じた。橋は2021年、下流側に再建された新阿蘇大橋へ役割を譲り、崩れた旧橋桁は震災の記憶を伝える遺構として現地に保存されている。