
油木ダム
油木ダムは福岡県田川郡添田町にあり、英彦山北麓に源を持つ二級河川・今川の上流部をせき止めた重力式コンクリートダムである。堤高54.6メートル、堤頂長218メートル、総貯水容量は約1,820万立方メートル。北九州地区の工業化と人口増による水需要を背景に1961年にダム計画が発表され、1963年に着手、1971年に堤体が完成し、1972年5月から管理が始まった。洪水調節と流水の正常な機能の維持、水道用水・工業用水の供給を担う多目的ダムとして、福岡県の管理出張所が置かれている。 建設地は旧津野地区の中心部にあたる。水没対象となったのは155戸の住居だけでなく、小学校と中学校、郵便局、駐在所、消防支所、公民館、農協支所、さらに添田町役場の津野支所までが含まれ、生活の基盤がまとめて湖底に移ることになった。このため補償交渉は三年にわたって難航し、1968年3月に妥結している。渇水期には水位の下がった湖底から住居跡の石垣や今川に架かっていた橋が現れることがあり、1994年、2002年、2007年に確認された記録がある。 怪異の話としては、湖底に沈んだ学校がいまも残っているという説明とともに、首のない女性の姿がダム湖の側から現れて追ってくる、下半身のない霊「テケテケ」を見た、といった内容が心霊系の記録に複数掲載されている。舞台とされるのは街灯のない旧道側で、道幅が狭く水神を祀る祠が点在する道筋だと紹介されることが多い。ただし、これらの霊の由来として挙げられる人物や出来事を裏づける公的な記録は確認できない。