
高萩市 -旧国道6号線-
茨城県北東部の高萩市は太平洋に面し、阿武隈高地の南端が海岸近くまで迫る地形を抱えている。旧国道6号線は海岸沿いの新道に切り替えられる以前の主要幹線で、勾配と急なカーブを伴う区間が長く、交通事故が繰り返し発生してきたと語られてきた。新道供用後も旧道はそのまま残され、薄暗い木立に挟まれた一帯が県内屈指の心霊スポットとして名前を挙げられる土地となっている。 寄せられる体験談で繰り返し語られるのは、夜間に旧道を走行していると前方に白い人影が突如飛び出し、急ブレーキを踏んで車を停めても路上には何も残っていない、というものである。昼間に訪れたが日が当たっているのに妙に薄暗く感じた、車を降りた瞬間に空気が一段冷えたように思えた、と証言する訪問者がいる。報告は断片的だが、旧道の閉ざされた空間性と事故の記憶が結びついて語られている点では一致している。 地元では、この旧道で命を落とされた方々への鎮魂を最優先に置く姿勢が長く受け継がれてきた。年配の住民の間には怪異譚そのものを詳しく語らず慎みを示す語り口が共有されており、興味本位の踏み込みを戒める空気がある。 旧道区間は舗装の劣化や落石・倒木の危険があり、一部は車両通行止めとなっている場合もある。深夜の停車や徒歩での立入は後続車・地元車両との接触事故を招きやすく、近隣集落への騒音にも繋がる。訪れる際は日中の明るい時間帯に限り、正規の通行ルートを守ること。
