
茨城県 鹿嶋市·公園・城址
旧鹿嶋廃廃塩田跡
鹿嶋市の海岸沿いに残る旧塩田跡は、古代から近代まで塩生産の舞台となった場所である。茨城県は縄文時代から塩製造が営まれた地域であり、古代には調庸塩(租税として納める塩)の生産地として機能していた。この遺構では、平安時代から普及した揚浜式と呼ばれる製塩法の痕跡が見られ、人力で海水を汲み上げ砂地に散布し、太陽熱と風による蒸発を利用して塩を析出させる労働集約的な工程が営まれていた。戦後、1997年に塩専売制度が廃止されるまで、国家管理下での塩生産が続いていたが、制度の廃止とともに民間の塩田も徐々に衰退していった。現在、白く乾いた地盤と海風の交わる独特の景観が残る同地は、かつての生産地としての痕跡を静かに保有している。