
深泥ヶ池
深泥ヶ池は京都市北区、市街地の北西に位置する周囲1.5km、面積9haの小さな池である。最大の特徴は、約1万年前に開析谷が自然堤防で塞き止められた際に形成され、以来氷河期からの生き残り生物が今も繁殖を続けている点にある。ミツガシワなど寒冷地植物と温暖地生物が共存する西日本では稀有な生態系であり、1927年に水生植物群落が、1988年に生物群集全体が国の天然記念物に指定された。 平安時代の歴史書『類聚国史』に「泥濘池」として初出し、江戸時代には「御菩薩池」と呼ばれ、平清盛が疫病退散のため京の街道口に設置したとされる地蔵菩薩信仰の中心地となった。「京の六地蔵廻り」の第一霊場として崇められ、八大竜王も祀られていた。明治の神仏分離以降、現在の「深泥池」という名が定着した。 1960年代後半から都市伝説「タクシーの女」の舞台として全国に知られるようになり、1969年には新聞でも報道された。降雨時の夜間、池畔で乗せた女性客が目的地到着時に消失し、後部座席のみが濡れていたというストーリーが語り継がれている。