
深泥池(みどろがいけ)
京都市北区にある池と湿地で、面積9.2ヘクタール。9世紀に『類聚国史』で初出し、長く京都盆地北端の地形境界として機能してきた。平安期から京都都市部の周縁領域と認識され、妖異や異界の存在に関する信仰の対象となっていた。 氷河期(3万~1万年前)の動植物相が今も生息する国の天然記念物で、1927年に指定、1988年には生物群集全体が保護対象となった。ミツガシワやホロムイソウなど寒冷地植物、170種以上の野鳥が確認されている。池中央の浮島は季節により隆沈し、複雑な生態系を支える。 20世紀後半以降、タクシー運転手が乗客を乗せたまま目的地に到着したが客が消えていたという怪談が、この池を発祥地として全国に広がった。ネット上では同様の話が複数報告されているが、具体的な事件として公式記録に残されたものは知られていない。怪談は池の古い信仰的背景と、夜間の暗い池畔道路という環境が結びついた形で流布している。


