
花山洞(旧東山トンネル)
花山洞は京都市山科区と東山区の間、東山を貫く歩行者用トンネルで、明治36年(1903年)に渋谷街道の渋谷隧道として開通したレンガ造りの隧道である。全長は約141メートル。周辺の阿弥陀ヶ峰一帯は京都三大葬送地の一つ鳥辺野に数えられ、平安時代には風葬の地、中世以降は墓所や火葬場として用いられてきた土地で、現在もトンネル南側には京都市中央斎場が置かれている。こうした土地柄から、トンネル内やその周辺で武者姿の霊や着物姿の女性の霊を見たという話が伝わり、内部で撮影すると見知らぬ人影が写り込むといった噂も広まった。自動車が通行できた時代には、走行中に人影が消える、通過後に車が動かなくなるといった体験も語られてきた。2019〜2020年(令和元〜2年)にかけて大規模な補修工事が行われ、内壁はコンクリートで補強され、以前あった落書きや染みなどの陰惨な雰囲気は大きく薄れている。