
飫肥城廃墟区域
飫肥城は宮崎県日南市の城下町中心部に位置する江戸期の城跡である。天正15年(1587)に伊東祐兵が豊臣秀吉から領地を与えられて以来、伊東氏14代が1871年の廃藩まで支配した。城域は東西750メートル、南北500メートルの規模を有し、シラス台地の段差を活かした複数の曲輪で構成されている。 現在、本丸跡、大手門、旧藩校振徳堂(天保2年開校)といった施設は復元・整備されて公開されている一方で、城域の外縁部には石垣の崩落や雑草地が残存している。これらの手つかずの領域は、活発に保存整備される中心部と対照的に、訪問客の少ない静謐な空間を形成している。1977年に九州で初めて重要伝統的建造物群保存地区に指定され、城下町全体が歴史的景観として位置づけられている。
