滝不動明王
上山市鶴脛町、県道104号線沿いの山中に、不動明王を祀る小さな滝と石碑・鳥居があった。不動明王は大日如来の化身として炎と刀剣を伴う姿で信仰される存在で、水音の激しい滝に祀られることが多く、この地でも修行の場として信仰が続いてきたとされる。一方で、江戸時代にはこの周辺が処刑場として使われ、斬首に用いた刀を滝の水で洗い流したという言い伝えが残り、後に供養のための刀剣が奉納されるようになったという。加えて、赤子を背負って農作業をしていた母親が誤って鎌で子の首を切ってしまい、悲嘆のあまり鳥居で命を絶ったという伝承があり、以降何度修復しても頭部が失われるとされる地蔵が祀られてきた。近隣には火葬場もあり、こうした背景から霊を引き寄せる場所として知られるようになった。著名な霊能者がこの地への立ち入りを拒んだという話も広まり、興味目的で訪れた者が思わぬ事故や怪我に遭うとの注意が古くから伝えられてきた。現在は施設の老朽化により立ち入りが禁止され、鳥居や石碑、刀剣などは撤去されている。
