
哲学堂公園
哲学堂公園は、東洋大学の前身・哲学館を創設した哲学者・井上円了が1904年に「四聖堂」を建てたことに始まる公園で、ソクラテス・カント・孔子・釈迦の四聖人を祀っている。正門にあたる哲理門には仁王像の代わりに天狗と幽霊の木像が据えられ、前者は物質界、後者は精神界の不思議を表すとされることから「妖怪門」の通称で知られる。円了は妖怪学の研究者としても知られ、迷信の打破を目的に全国で講演を行った人物である。公園は1944年に東京都へ移管され、1975年から中野区立公園として管理されており、2020年には国の名勝に指定された。こうした経緯から公園には妖怪や幽霊にまつわる意匠が多く残り、園内の梅の木の一本は「幽霊梅」と呼ばれ、この木を撮影すると白い霧状の影が写り込むと噂される。夜間に林の奥から女性の泣き声が聞こえるとの報告や、桜広場ではかつて自ら命を絶った女性の霊が事故を引き起こすとの説、哲理門付近で一家が命を落としたためその霊が出るという話も伝わる。バイク事故で亡くなった人物の霊とされる「首なしライダー」が出現するとの噂もあり、由来の異なる複数の怪異譚が公園全体に重ねられている。
