日原鍾乳洞
奥多摩町日原にある日原鍾乳洞は、総延長1270メートル、高低差134メートルを誇る関東地方最大級の鍾乳洞で、東京都指定天然記念物となっている。石灰岩からなる急峻な渓谷沿いに位置し、かつては山岳信仰・修験道の霊場として栄え、現在は保勝会の管理下で観光地として公開されている。洞内には「死出の山」と呼ばれる区画があり、山中で命を落とした人々を供養するための地蔵が多数安置されている。訪れた者からは、この一帯で視線を感じたり、読経のような声を聞いたという声が上がる。さらに奥へ進むと「賽の河原」「三途の川」と名付けられた場所があり、名称自体が他界との境界を思わせる。周辺の山域は古くから遭難事故が相次いだとされ、命を落とした登山者の霊が今もこの洞窟をさまよっているという伝承が伝わる。加えて、洞内で人が行方不明になったとする話も一部で語られており、真偽は確認されていないものの都市伝説として広まっている。洞窟へ向かう日原街道沿いでは2003年、崖下で身元不明の女性の遺体が発見される未解決事件が起きており、この一帯の陰惨な印象を強める要因の一つとなっている。また洞内で撮影された写真に白い霧や光の玉のようなものが写り込み、ネット上で心霊写真として取り上げられることがあるが、湿度の高い洞内特有の水滴や結露が原因との指摘も同時にされている。