雄島
雄島は福井県坂井市三国町に浮かぶ周囲約2キロの無人島で、越前加賀海岸国定公園に含まれる。柱状節理の断崖に囲まれ、島内には創建から1300年以上(約1370年)とされる大湊神社が鎮座し、古くから海上安全や武運を祈る神域として一般の立ち入りが制限されてきた。現在は赤い雄島橋(雄島大橋)で本土と結ばれ、参拝や散策で訪れることができる。隣接する東尋坊の断崖からは毎年一定数の転落死者が出ており、潮の流れによってその遺体の一部が雄島の海岸に流れ着く現象が古くから知られている。この事実が、神域としての静けさと死のイメージを結びつけ、雄島を心霊スポットとして語る土壌になったとされる。伝承では、神社を反時計回りに巡ることは正式な参拝作法に反する無礼とされ、これを破ると身に不幸が及ぶという戒めが伝わる。この禁忌は時代を経て、亡くなった人の霊に取り憑かれる、足を引かれる、声や足音が聞こえるといった怪異譚として広まり、日没後に橋を渡ると霊を連れて帰るとも言われている。