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志賀島蒙古塚

福岡市東区の北端、博多湾と玄界灘を分かつ細長い島・志賀島は、海の中道で陸とつながる景勝の地で、古くは志賀海神社の鎮座する海の信仰の拠点として知られてきた。十三世紀の元寇では、博多湾一帯が大陸からの軍勢と日本の武士団とがぶつかる前線となり、戦没者が両軍に多く出た。島の北部に立つ「蒙古塚」は、戦死した蒙古軍兵士の供養塔と伝えられ、玄界灘を望む丘陵に静かに佇む慰霊の場である。 寄せられる体験談で繰り返し語られるのは、夕刻から夜にかけて塚の周辺を歩くと、海風に混じって低い詠唱のような響きが一瞬だけ耳に届く、というものである。塚に向かって手を合わせたあと写真を確認すると粒子の粗い影が一枚だけ写り込んでいた、岸辺で複数人の足音が背後に揃って聞こえたが振り返ると誰もいなかった、と語る訪問者もいる。特定の数字や名と結びつく伝承ではなく、元寇という国境を越えた戦の記憶が、玄界灘の景観のなかで物語的に像を結んでいる。 地元では、敵味方を問わず海で命を落とされた方々への弔いの心が古くから受け継がれ、塚は怪異の場というより国際的な慰霊の場として尊ばれてきた。志賀海神社の祭礼とあわせ、海と歴史への祈りが今も静かに続けられている。 塚の周辺は岬の急斜面と岩場が近く、夜間は転落の危険が高い。心霊目的の深夜訪問や塚への無礼な振る舞いは厳に慎み、訪れる場合は日中に手を合わせ、両軍の戦没者と海への敬意を欠かさず静かに過ごしてほしい。

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志賀島蒙古塚
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志賀島蒙古塚

福岡市東区の北端、博多湾と玄界灘を分かつ細長い島・志賀島は、海の中道で陸とつながる景勝の地で、古くは志賀海神社の鎮座する海の信仰の拠点として知られてきた。十三世紀の元寇では、博多湾一帯が大陸からの軍勢と日本の武士団とがぶつかる前線となり、戦没者が両軍に多く出た。島の北部に立つ「蒙古塚」は、戦死した蒙古軍兵士の供養塔と伝えられ、玄界灘を望む丘陵に静かに佇む慰霊の場である。 寄せられる体験談で繰り返し語られるのは、夕刻から夜にかけて塚の周辺を歩くと、海風に混じって低い詠唱のような響きが一瞬だけ耳に届く、というものである。塚に向かって手を合わせたあと写真を確認すると粒子の粗い影が一枚だけ写り込んでいた、岸辺で複数人の足音が背後に揃って聞こえたが振り返ると誰もいなかった、と語る訪問者もいる。特定の数字や名と結びつく伝承ではなく、元寇という国境を越えた戦の記憶が、玄界灘の景観のなかで物語的に像を結んでいる。 地元では、敵味方を問わず海で命を落とされた方々への弔いの心が古くから受け継がれ、塚は怪異の場というより国際的な慰霊の場として尊ばれてきた。志賀海神社の祭礼とあわせ、海と歴史への祈りが今も静かに続けられている。 塚の周辺は岬の急斜面と岩場が近く、夜間は転落の危険が高い。心霊目的の深夜訪問や塚への無礼な振る舞いは厳に慎み、訪れる場合は日中に手を合わせ、両軍の戦没者と海への敬意を欠かさず静かに過ごしてほしい。