
静岡県 下田市·宿泊・居住跡
下田富士屋ホテル廃墟
静岡県下田市に残る旧富士屋ホテルの廃墟。1854年の黒船来航により日本最初の開港地となった下田は、江戸時代には風待ち湊として栄え、明治から昭和へと時を経て、『伊豆の踊子』の出版や伊豆急行線開業(1961年)によって観光地として急速に成長した。1987年度には観光客が600万人を超え、ホテル・旅館業の投資が相次いだ時代の産物がこのホテルである。鉄筋コンクリート造の建物は、昭和の高度成長期における伊豆観光ブームの象徴として機能したが、観光需要の変化と施設老朽化により営業を終えた。現在、敷地に放置された躯体は緑に浸食されながら、往年の繁栄期を静かに物語っている。