
香川県立善通寺第一病院
香川県善通寺市にある旧香川県立善通寺第一病院は、1960年代に開設され地域の医療を長く担った県立病院で、2010年代に新病院への機能移転に伴って閉鎖された後、建物の老朽化が進む医療施設の遺構である。善通寺は弘法大師ゆかりの古い門前町として知られ、その近代以降の医療を支えてきた中核病院として、地域住民にとっては命を預けた場としての記憶が色濃く残っている。閉鎖後の旧棟に白い影が映るという目撃談が断続的に語られ、心霊スポットとして名前が挙がる場でもある。 寄せられる体験談で繰り返し語られるのは、深夜に廃病院の外から建物を観察した訪問者が、旧入院棟の廊下の窓に白い服の人物の影が映り込んでいるのを目撃した、というものである。影は窓の前で立ち止まってから隣の窓へ移動する動作を繰り返した、無人のはずの一室から微かな機械音のような響きが届いた、外周を歩くと足音が背後で一拍ずれて重なったと語る者もいる。 地元では、長年にわたって命と向き合ってきた医療従事者と患者たちの記憶を、軽々しく扱わない姿勢が共有されてきた。現象の話は医療史への敬意と切り離せず、面白半分に語られる対象とはされていない。 廃病院は私有・管理区画にあたり、敷地内への無断立ち入りは法令違反となるうえ床抜けや崩落の危険も大きい。深夜の侵入や撮影目的の訪問は厳に控え、訪れる場合は公道から外観を眺めるに留め、医療史への敬意を欠かさないこと。