
満濃池廃建物
満濃池は香川県讃岐平野の農業を支える日本最大級のため池で、もともと701〜704年に造営され、821年に空海が修築を手がけたと記録されている。平安期から現代まで千年以上にわたり灌漑用水を供給してきた水利施設であり、昭和期の拡張工事で貯水量を15.4億立方メートルに増やし、讃岐平野全域の3000ヘクタール以上の水田を潤す。 池の周囲には取水施設や管理に関わる各種建造物が点在し、なかには用途を終えて廃棄された建物も存在する。堤上の遊歩道からは讃岐山脈の山容と広大な田園風景が一望できる。毎年初夏の6月中旬には「ゆる抜き」と呼ばれる放水行事が行われ、古来から水への祈礼と感謝の儀式として地域に根付いている。こうした文化的営みと環境音の特異性から、日本の音風景百選にも選定されている。廃建物周辺では、池の水音や自然現象が、昼夜の光条件や訪問者の心理状態によって異様に知覚されることもある。 訪問の際は公開エリア(堤上の遊歩道など)に限定し、廃建物への無断立入は不法侵入であり、堤上は滑落の危険があることに留意すること。
