
仲多度郡琴平町の金刀比羅宮の怪
香川県琴平町の象頭山に鎮座する金刀比羅宮は、大物主神を主神とし、1165年に崇徳天皇を合祀した古社である。海上交通の守護神として全国から厚い信仰を集め、江戸時代には伊勢参りと並ぶほどの庶民信仰として確立された。参道は御本宮まで785段、奥社までは計1368段の長い石段が続く。 江戸時代から明治初期にかけて、全国の参詣者が長い旅路を経てこの山に登った。石段の途中で力尽きた参詣者の存在は、当時の記録にも反映されている。参拝者の間では、夜間に石段で見かけた不明の人影や、説明のつかない音声現象についての報告が存在する。こうした現象は、長い石段を登りきれずに亡くなった過去の参詣者への記憶と、山中の複雑な地形・気象条件が組み合わさった結果として語り継がれている。 金刀比羅宮への参拝は日中に正式な参拝として行うことが推奨される。夜間の石段は照明が乏しく、転落や落石、体調不良のリスクが極めて高い。神域での騒擾や不敬な行為は信仰を損ねるものであり、訪れる場合は海の道中で命を落とした人々と、信仰を支えてきた地域への敬意を欠かさないこと。