
三角山廃墟
大分市の丘陵地に存在した農業施設の跡地。1960年代から1970年代にかけて営農されていた施設で、柑橘類や野菜を栽培する農場として機能していた。日本の高度経済成長期には農業基本法(1961年)による機械化が推進される一方、農業従事者の都市への流出により地方農業は大きな転換を迫られた。農産物価格の変動や国際的な輸入自由化といった経済構造の変化により、地方の小規模農場経営は次第に採算が取れなくなり、この土地も長年放置されるようになった。錆びた農機具と朽ちた畜舎が植生に覆われた現在の景観は、戦後農業の栄衰を物理的に示す痕跡である。
