
滝畑第三トンネル
大阪府河内長野市の滝畑地域を流れる石川上流部は、江戸時代の凍豆腐製造から現代のダム開発まで、水を中心に産業が営まれてきた場所である。1967年に滝畑ダム建設が着工され、山を切り開き流域の治水・灌漑・上水道供給のための道路整備が進められた。その過程で、すでに存在していた隧道が新たな府道へと組み込まれ、1932年竣工の滝畑第三トンネル(塩降隧道、全長158m)は現在も走行路として使われている。 石積み構造の坑口、狭隘な内部、限定的な照明といったトンネルの物理的特性は、深夜の走行時に心理的な圧迫感を与える。ネット上では夜間通行時に視界の周辺に人影が見える、身体が重くなる感覚、不可解なエンジン音といった報告が複数存在し、集合的な恐怖心が形成されている。ただしこれらの報告は具体的な時期や事件と紐付かず、むしろ暗闇と古さという環境が、走行者の予期的不安を増幅させる構造を持つ。 ダム周辺の渓谷には複数の隧道が点在し、滝畑ダム建設に伴う人命喪失の歴史がある。トンネルに対する畏怖感は、こうした開発史の背景と、暗闇という空間体験が接合した結果として考えられる。

