
幽霊の報告が絶えない旧国道
宮崎県延岡市を貫く旧国道388号線沿いの浦城トンネル付近は、九州山地の険しい地形を縫って走る旧道で、現在は新道へ車の流れが移っているものの、かつては地域の生活と物流を支えた重要な街道であった。沿道は深い谷と森に挟まれ、夜間の通行量は極めて少なく、トンネルの石組みには時代を重ねた工事の痕跡が残されている。古くから交通事故と弔いにまつわる語りが重なってきた土地として、近隣ではその名がたびたび挙がる場所である。 寄せられる体験談で繰り返し語られるのは、夜間にトンネルを通過する車のすぐ脇を、三輪車に乗った幼い子どもの影が並走するのを目にする、というものである。スピードを上げても影は離れず横に張り付き続けたという証言や、運転席と目が合った瞬間に微かな笑みを残して消えていったという話、車内の同乗者にだけ姿が見えていたという報告も伝えられている。 地元では、かつてこの旧道で交通事故により命を落とされた方々への弔いが、世代を超えて静かに受け継がれてきた。語りは単なる怪異ではなく、危険な山道に対する戒めと、犠牲となった親子への哀悼を込めた寓話としての性格を強く帯びている。 旧国道388号線の浦城トンネル区間は照明が乏しく、落石やカーブでの事故が現実に発生しうる危険な道である。心霊目的での深夜走行は事故誘発の恐れがあり厳に控え、通行が必要な場合は日中に安全運転を徹底し、亡くなった方々と地域の歴史への敬意を欠かさないこと。


