
嫁ヶ島(宍道湖)
宍道湖の東岸から約200メートル沖に浮かぶ無人島、嫁ヶ島。周囲約240メートル、最高標高4メートルほどの小さな島で、約1200万年前に噴出した玄武岩の溶岩からなる。奈良時代の『出雲国風土記』には「蚊島」として記録され、後に現在の名で呼ばれるようになった。名の由来として伝わるのは、姑にいじめられていた若い嫁が冬の夜に家を出て、氷の張った湖を渡り実家へ戻ろうとしたところ氷が割れて湖に沈んでしまい、これを哀れんだ水神が一夜のうちに島を湖面に浮かび上がらせ、嫁の遺体を引き上げたという話である。島の弁財天を祀る祠は1611年に建てられ、湖畔には水難で亡くなった人々を供養する地蔵も置かれている。こうした歴史を背景に、湖面に白い服の女性の姿が浮かび上がり、やがて沈むように消えていったという話や、子を抱いた女性の姿が見えたという話、漁の最中に背中を叩かれて振り返ると白い靄が漂っていたという話などが、心霊にまつわる噂として語り継がれている。

