
畑トンネル
群馬県吾妻郡の山間部に潜む畑トンネルは、地元でも知る人ぞ知る心霊スポットとして、じわじわと噂が広がっている。坑内に足を踏み入れると、誰もいないはずなのに後ろから足音が聞こえてくるという体験談が複数報告されているとされる。また、トンネル内部で突然スマートフォンや懐中電灯の電源が落ちたという声もあり、「何かがいる」と感じて引き返した訪問者もいると言われている。さらに、坑門付近で白い人影を目撃したという噂や、夜間に女性の泣き声のようなものが聞こえるという伝聞情報も語り継がれている。かつてこの道が生活の命綱であった時代、山中での事故や行き倒れが少なくなかったとも伝わっており、そうした歴史的背景が怪談の温床となっているとも言われる。 畑トンネルは、浅間山と草津白根山に挟まれた標高の高い地帯に位置し、大正末期から昭和初期にかけて整備された小規模な隧道と推定されている。吾妻郡一帯では江戸期から養蚕業・林業が盛んで、このトンネルも集落間の物資輸送を担う連絡路として掘られた。戦後は林業の衰退と山村人口の減少が進み、広い県道・国道が整備されると旧道としての役割は薄れていった。現在は坑門に植生が迫り、坑内に照明はなく、壁面には苔が広がる。落石の痕跡も確認されており、訪れる際は明るい時間帯に複数人で行動することが地元でも推奨されている。冬季は積雪・凍結により通行不能となる時期もあるため、事前に地元自治体の最新情報を確認されたい。
