
旧羽根尾トンネル
旧羽根尾トンネルは、群馬県吾妻郡長野原町の旧道に残る廃隧道で、地元では古くから「夜に近づいてはならない場所」として語り継がれているという。坑内から正体不明の人影が現れ、こちらを見つめたまま消えるという目撃情報が複数あるとされ、また「トンネルの入口付近で突然エンジンが止まった」「奇妙な呻き声のようなものが聞こえた」といった体験談もネット上で散見される。廃道化してから長い年月が経つにもかかわらず、夜間に周辺を通りかかった人物が強い不快感や恐怖感を覚えたという噂が絶えないと言われている。坑門の奥は昼間でも薄暗く、植生に覆われた閉塞感が訪れる者の不安を掻き立てるとも語られている。 旧羽根尾トンネルは、昭和初期から戦後にかけての地方道整備期に開削されたコンクリート造の小規模隧道とされる。坑門の銘板は風化が著しく、建設年の特定には地元の郷土史資料に頼らざるを得ないという。長野原町は草津温泉・嬬恋村・北軽井沢方面への分岐点に位置する交通の要衝で、国道145号・292号・406号が交差する。このトンネルも古くから草津・嬬恋への往来路として利用されてきた経路上に位置している。その後、国道145号の改良工事と新道整備によって役目を終え、現在は旧道の遺構として残されている。吾妻郡一帯では八ッ場ダム建設に伴う道路網の大規模な再編が2010年代から進められており、旧道はハイキングや郷土史散策の対象として一部で関心を集めているとされる。
