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磐田・見付天神(矢奈比賣神社)

静岡県磐田市の矢奈比賣神社は、9世紀に遡る古社で、840年の『続日本後記』に初出、860年の『三代実録』では正五位上に列せられた。主祭神は安産・子育ての矢奈比賣命で、993年より菅原道真を学問の神として祀る。 同社が異色なのは、延慶元年(1308年)まで続いたとされる人身御供の風習である。毎年8月、「白羽の矢」が家の屋根に落ち、矢の立てられた家の娘を棺に入れて神前に供えるという習慣があった。やがて旅の僧がこの実態を調査した結果、神の要求ではなく、老齢の猿の妖怪が村人の迷信に乗じて行っていた所業と判明。僧は信州の高禅寺から霊犬「悉平太郎」を借り受け、当神社に連れてきたところ、この犬が妖怪を退治し人身御供の風習に終止符を打ったという。悉平太郎はその後間もなく死亡し、信州の寺に埋葬された。 現在、参道には悉平太郎の銅像が建立されており、毎年8月に行われる見付天神裸祭は、この歴史的事実を背景とした国の重要無形民俗文化財に指定されている。

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