
旧天城トンネル
静岡県伊豆市と河津町を結ぶ天城峠の標高710メートル付近に位置する、日本最長の石造道路トンネル。1900年に起工され1905年に竣工した、全長445.5メートル、幅員4.1メートルの構造物。建設には総工費10万円超を投じ、全ての石材を切り出して組み上げた日本初の石造道路トンネルであり、精密な石材加工技術と高い技術的完成度を示している。2001年に国の重要文化財に指定された。 川端康成の短編小説『伊豆の踊子』や松本清張の『天城越え』の舞台となり、文化的な価値も高い。1970年に新トンネルが開通すると交通の要としての役割を終え、現在は観光名所として利用されている。トンネル内部は昔の空気が残ったままで、ガス灯を模したナトリウムランプで照らされ、苔むした石積みと冷気が重厚な歴史を感じさせる。 心霊スポットとしての伝承では、建設時の労働災害に遭った作業者の霊が夜間に出現するとされ、ネット上では「人柱伝説」や建設工事中の事故死に関連する怪談が語り継がれている。ただし具体的な被害者名や年号が明確に記録されたものは限定的で、むしろ大規模土木工事を象徴する歴史的悲劇が伝承へと昇華した側面が強い。実在の重要文化財を舞台にした幽霊譚の典型例として、心霊スポット紹介サイトで繰り返し取り上げられている。



