
等々力渓谷の怪談
東京23区で唯一の自然渓谷である等々力渓谷は、谷沢川が武蔵野台地の南縁を浸食して形成された1キロメートル余りの谷である。渓谷内の崖地には7世紀から8世紀にかけて造られた横穴古墳群が存在し、古代の埋葬地として活用されていた痕跡が今も残る。地名の由来は、渓谷の崖から落ちる不動の瀧が、その水音で「とどろいた」ことに由来するとされる。渓谷は古くから信仰の対象であり、平安時代後期には等々力不動尊が創建され、商売繁盛や厄除けの信仰地として機能してきた。1999年に東京都指定名勝に指定され、保護されている。地層からは粘土、礫、関東ローム層が観察でき、武蔵野の自然が都市部に残された空間としての歴史的重要性を持つ。
