
その他·福岡県 北九州市小倉南区
千仏鍾乳洞
北九州市小倉南区の平尾台にある千仏鍾乳洞は、1935年に国の天然記念物に指定された大規模な洞窟である。平尾台は日本三大カルストの一つで、約3億4千万年前の海洋生物の遺骸が石灰岩となり、地殻変動を経て現在地に至ったカルスト台地である。この石灰岩層が地下水の浸食作用により、幾千万年の歳月をかけて形成された。 洞窟は平尾台の東側断崖に開口し、奥行は約900メートルに及ぶ。洞内は四季を通じて気温16度、水温14度で保たれ、鍾乳石、石筍、石柱が豊富に発達している。特に大小30余個の鍾乳石が垂下し、光の反射によって多くの造形を見せる。現在も地下水が流れており、洞窟は今なお浸食・発達の過程にある。 「千仏」の名は、古くは天平13年に行基の開創とされる叡山願光寺の末寺「千仏院」に由来する。その後、天正年間に大友宗麟の兵火で焼失し廃絶した。入口から480メートルまでは通常の歩行が可能だが、その先は水深が増し、流水に足を浸して進む「奥の細道」と呼ばれる区間がある。