
旧上山田病院
長野県上田市、千曲川流域の温泉地に位置する旧上山田病院は、戦後の地域医療整備が進んだ1960年代に開院し、地元住民と温泉療養客の医療ニーズを数十年にわたって支えてきた施設である。診療科の縮小や経営環境の悪化、後継医師の確保困難という、地方医療機関が共通して直面する課題が重なり、2000年代に閉院となった。現在、建物は老朽化が進む中で管理されない状態が続いており、廃墟化した病棟は地域医療史の物理的な遺構として存在している。地域の医療基盤が、国立病院機構など広域の基幹施設へ再編・集約される過程を示す建物となっている。

