夫婦岩(祟りの岩)
夫婦岩は兵庫県西宮市鷲林寺町(鷲林寺南町)、県道大沢西宮線の道路中央に鎮座する巨岩で、一つの岩が裂けて二つ寄り添うような形状から、鷲林寺への参詣者が夫婦円満を祈願する対象として名付けられたとされる。周辺には夫婦池・夫婦橋もあり、三つを通って寺に詣でる習わしがあったという。一方でこの岩には、動かそうとすると災いが及ぶという伝承が伴う。昭和13年(1938年)の阪神大水害後、県道拡張のため岩を爆破・撤去しようとした際、工事関係者が相次いで急死したという話が伝えられ、以降道路はこの岩を避けて分岐する形に整備された。ただし西宮市や道路管理者側にこの経緯を裏付ける記録はないとされる。岩には白狐や白蛇が棲みついているとの説もあり、上に生える木を切ろうとした者が高熱を発して亡くなったとする話も伝わる。真夜中にこの岩の上で、上半身が牛で赤い着物姿の女性が踊っていたとの目撃談や、悪戯をすると四つん這いで追いかけてくるという話も語られる。運転中に岩の方を振り返ると事故に遭う、岩を避けて反対車線を走ろうとした車のブレーキが効かなくなったといった、交通安全にまつわる噂も広まっている。こうした逸話から縁結びの岩でありながら「祟りの岩」としても知られ、2022年にはテレビのご当地紹介番組で取り上げられるなど知名度が高まり、この岩が登場する小説作品も存在する。岩は現在も道路中央に残り、行政側も移設ではなく道路線形を変える形で対応を続けている。



