
七ヶ浜町旧漁村の海難霊
七ヶ浜町は松島湾の南端に位置する半島状の地形をもつ漁村で、明治時代の町制整備時に7つの沿岸集落を統合して成立した。古くから縄文時代より海と密接な関わりをもち、現在も沿岸漁業とノリ・牡蠣の養殖が主要産業である。特に松島湾と太平洋が交わる海域は黒潮と親潮が接し、豊かな漁場として知られてきた一方で、冬季の北東風や台風時には高波が襲来する海域でもある。町の漁村景観は特別名勝松島の一部として1923年に指定され、1952年に特別名勝に昇格している。2011年の東日本大震災では、町域の約4分の1が津波によって浸水し、多くの漁船が被害を受けた。こうした歴史的な海難と、太平洋との地理的位置づけが、地域の追悼文化と海上安全への祈りを形成してきた。
