寺家トンネル(池原隧道)
富山県富山市寺家、県道67号(宇奈月大沢野線)沿いにある池原隧道は、一号から三号までの三本の手掘りトンネルの総称で、寺家トンネルとも呼ばれている。開通は昭和8年(1933年)で、当時は小佐波・船峅両集落を結ぶ生活道路として掘られたとされる。現在も幅1.48メートル以下・高さ2メートル以下の車両に限って通行が許可されている。総延長約350メートルの内部は素掘りの岩肌にコンクリートが吹き付けられた簡素な構造で、天井には多数のコウモリが棲みついている。この場所では灯りを消して静かに待つと女性の声が響いてくるという噂が広まっており、白い服の人影を見たという報告や、その声が次第に笑い声へと変わったという証言も伝えられている。ネット上の記事には、車のヘッドライトでトンネルの奥を照らした際に、白い服を着た女性のような青白い人影が浮かんで見えたとする記述もあり、灯りの消し方や待つ時間によって現れ方が異なると語られることもある。一方で、こうした噂を裏付けるような具体的な事故や事件の記録は確認されておらず、心霊系の情報サイトでも光の反射や暗闇での錯覚として説明する見方が示されている。トンネルを抜けた先にあった集落は過疎化が進んで人の姿がほとんど見られなくなっており、往時の生活道路としての役目を終えた場所であることも、寂れた雰囲気を強めている一因とされる。狭く見通しの悪い構造と自動車の往来が少ないことから、若者の肝試しの対象として知られるようになった。
