
角島(角島灯台・角島大橋)
角島は山口県下関市の北西端、響灘に浮かぶ島で、2000年に開通した角島大橋によって本州と結ばれている。通行無料の橋としては国内でも有数の長さを持ち、青い海の上へまっすぐ伸びる景観から観光地として広く知られる。島の北西端には1876年(明治9年)に初点灯した角島灯台が立つ。技師リチャード・ヘンリー・ブラントンが設計した日本海側で最初の洋式灯台とされ、無塗装の総御影石造りという珍しい姿を今に残し、2020年には現役灯台として国の重要文化財に指定された。 その一方でこの島は、海と結びついた怪異の舞台として紹介されることもある。外洋に開けた響灘は昔から海難と隣り合わせで、灯台や海岸線には海で命を落とした人々のイメージが重ねられてきた。霧の濃い時間帯に波打ち際へ目をやると白い人影が立って見える、海の方から呼ぶような声を聞いた、といった話が心霊スポットの紹介記事に見られる。角島大橋についても、渡っている最中に車内が急に冷え込む、という類の話が挙げられることがある。いずれも特定の事件に結びついた伝承というより、海と岬の景観が呼び起こす情景的な語りとして扱われている。