
松ヶ崎城跡(新潟市)
新潟市北区松浜は、阿賀野川の河口部に広がる低地・水辺の一帯である。この地の松ヶ崎浜村は江戸初期の1625年(寛永2年)に河渡新田の枝郷として開かれ、その名は現在の阿賀野川河口を形づくった歴史と深く結びついている。1730年(享保15年)、新発田藩は排水促進と新田開発を目的に松ヶ崎へ掘割(放水路)を開いたが、翌1731年春の融雪洪水で堤が決壊して一気に拡大し、そのまま阿賀野川の本流・河口となった。この流路変化は新潟湊の水深低下など下流一帯に大きな影響を及ぼし、周辺の藩との利害調整も生んでいる。一方、スポット名にある「松ヶ崎城」という中世城館については、城郭関係の資料や自治体史で明確な遺構や沿革を確認できず、心霊スポットとして語られる具体的な怪談・事件も出典上は裏づけられない。ネット上には水辺の暗がりを不気味に感じたとする声も見られるが、確たる伝承には乏しい土地である。