
八王子霊園
東京都八王子市元八王子町、武蔵野の西端にあたる加住丘陵に、東京都が運営する八王子霊園が広がっている。1971年(昭和46年)開園、面積約65ヘクタール、東京都営霊園としては最も新しい霊園のひとつである。 都営霊園は青山霊園、谷中霊園、染井霊園、雑司ヶ谷霊園、多磨霊園、小平霊園、八柱霊園、八王子霊園、瑞江葬儀所付属霊園の9園で構成され、東京都公園緑地部が一括管理を行っている。八王子霊園は都営霊園のなかで西端に位置し、丘陵地の地形を活かした公園型の墓地として設計された。 造成にあたっては、丘陵の自然林を約7割そのまま残す方針が取られた。コナラ、クヌギ、シイ、カシ類などの雑木林を維持しつつ、約500本の桜と670株のあじさいを園路沿いに植栽。春の桜、初夏のあじさい、秋の紅葉と、四季それぞれに見頃を迎える公園墓地としての性格が確立された。霊園というよりも自然公園としての散策ができる、東京都西部の隠れた花見スポットとしても知られている。 墓地区画は約2万区画、すべて統一規格の芝生墓地(4平方メートル)として設計された。従来の都営霊園に多い和型墓石・洋型墓石の自由設計を排し、規格化された墓石とプレート方式を採用することで、整然とした景観と効率的な維持管理を両立している。墓地区画の使用許可は東京都が公募制で抽選を実施しており、毎年数千件の応募が集まる。 霊園隣接地には歴史的に重要な遺跡が複数存在する。八王子城跡(国指定史跡、1590年落城)、北条氏照の墓、武蔵陵墓地(昭和天皇・香淳皇后が眠る武蔵野陵、大正天皇・貞明皇后が眠る多摩陵)が周辺数キロメートル圏内にある。武蔵陵墓地は宮内庁が管理する皇室の御陵で、八王子霊園からも近接距離にある。 戦国期の北条氏の歴史、明治以降の皇室の墓所、そして現代の都営霊園が、加住丘陵の同じエリアに集中していることは、東京都西部の歴史的・文化的特徴のひとつである。武蔵野の自然と、長い歴史の堆積を併せ持つこの地は、墓地公園というよりも「歴史と自然が交わる広大な森」として、年間を通して多くの墓参者と散策者を迎え入れている。 八王子霊園へのアクセスはJR中央線高尾駅、京王高尾線高尾駅から西東京バスで約20分。霊園内には管理事務所、駐車場、休憩所が整備され、墓参以外のハイキング目的の利用も可能である。開園時間と利用案内は東京都公園緑地部の公式サイトに掲載されている。






