
大谷資料館
栃木県宇都宮市の大谷資料館は、江戸中期から昭和34年(1959年)頃まで続いた大谷石の採掘を記録する施設である。当初は農閑期の副業として始まった採掘事業は明治以降に産業化し、昭和30年代にかけて段階的に機械化が進められた。戦時中の1943年から1945年にかけて、この採掘跡は陸軍の秘密倉庫、ならびに中島飛行機による零式戦闘機製造の地下工場として転用された。戦後は1969年まで政府備蓄米倉庫として機能し、1979年に現在の博物館として整備された。 地下施設は広さ約2万平方メートル、深さ最大60メートルで、約1000万個の石が掘り出された遺構である。年間を通じて平均気温8℃という低温環境が保たれ、巨大な石柱と垂直に切り出された岩壁が独特の景観を形成している。現在は観光施設として公開されており、採掘用具の展示と地下空間の実体験を通じて、地域産業の発展過程を学ぶことができる。







