福島県隧道・トンネル系 心霊スポット

2 件の「隧道・トンネル」に絞り込み

福島県の心霊文化

会津・中通り・浜通りの三地方からなる福島県は、戊辰戦争最大の悲劇・会津戦争の舞台となった地である。十六、七歳の少年たちが城下の炎を見て自刃した飯盛山の白虎隊、南北朝の戦場として知られる霊山、廃道に沈む旧三森トンネル——会津武士の忠義と東日本大震災・原発事故の記憶が幾重にも重なり、奥州の闇は今も深く静かに横たわっている。

隧道・トンネルという場所

山腹を貫くトンネルは、自然の境界を強引にこじ開けた人工の異界である。明治以降の鉄道・道路開削に伴う落盤事故、過酷な労役に倒れた工夫、人柱の伝承が地中に積層し、闇の奥に沈殿する。出口の光が遠ざかる錯覚は、訪れる者を時間ごと飲み込んでいく。

福島県 双葉郡浪江町·隧道・トンネル

仙人沢トンネル

仙人沢トンネルは福島県双葉郡浪江町室原・川房地区にまたがる国道114号(福浪線)上のトンネルで、全長は1024.44メートルにおよぶ。大柿ダムの建設によって水没する旧道の付け替えとして、農林水産省東北農政局の請戸川農業水利事業の一環で1977年度頃に着工し、1981年3月に竣工した。町内でも有数の長さを持つトンネルで、内部にはラジオ再放送設備が設置されているとされる。2011年の東日本大震災と東京電力福島第一原子力発電所事故の後、この一帯は帰還困難区域に指定され、長期にわたり一般車両の通行が制限された。2017年に通行が再開され、2023年には特別通過交通制度の適用も終了している。こうした背景を持つ長大なトンネルについて、複数の心霊関連サイトでは女性とみられる霊の目撃報告が最も多いと紹介されている。走行中に理由がわからないまま反対車線側に進んでしまい事故に至ったという証言や、壁面に人の顔のようなものが浮かび上がって見えたという体験も伝えられる。近接する大柿ダムでの水難や投身自殺との関連を指摘する声もあるが、事件性を裏付ける記録は確認されていない。

旧甲子トンネル
福島県 西白河郡西郷村·隧道・トンネル

旧甲子トンネル

福島県西白河郡西郷村と下郷町を結ぶ国道289号甲子道路は、1970年の国道指定から38年間、自動車での通行を遮断された交通難所だった。標高1,400メートルの甲子峠を越える唯一のルートでありながら、険しい地形と豪雪のため、1975年の着工から2008年の開通まで33年の歳月を要した。この長い工期の中で、地形と工事は幾度となく衝突した。2002年の台風6号による集中豪雨は甲子峠付近で大規模な地滑りを引き起こし、それまで敷設されていた複数のトンネルと橋梁の廃棄を余儀なくさせた。当初の甲子道路では、きびたきトンネルをはじめとする複数の坑道が掘られたが、この地滑り被害によってルート全体が見直され、新たに掘り直される羽目になったのである。廃止されたトンネルには片見トンネルなどが含まれ、約7年間の運用期間を経て2002年に封鎖された。その後、迂回ルートとして新たに約900メートルのトンネルが新設され、2008年9月21日、全長4,345メートルの甲子トンネルがついに開通した。だが新しいトンネルも周囲の地質によって試験されることになる。開通後、トンネルに含まれるスメクタイトという膨張性の鉱物が水分を吸収し、路面が最大33センチメートルも隆起する異常が発生した。トンネル内のひび割れや水漏れも相次ぎ、その後の調査で地震とトンネル工事による地盤の劣化が問題の背景にあることが判明した。こうして、難工事と自然の猛威、そして地質学的な異常現象が折り重なった場所として、旧甲子トンネルと廃止区間の存在は知られるようになった。今日、旧道に残された廃トンネルの遺構は、かつての工事の苦労と、この峠がいかに困難な地形であるかを物語る証として、山中に静かに存在している。

福島県の他のカテゴリ