
宿泊・居住跡·大分県 日田市
日田市廃温泉旅館
大分県日田市の天ヶ瀬温泉は、玖珠川沿いに湧く豊後三大温泉の一つ。奈良時代『豊後国風土記』に記載される1300年以上の歴史を持ち、江戸時代には湯治場として栄えた。玖珠川河畔に宿が立ち並び、広瀬淡窓や大村益次郎など著名人も訪れた。昭和期の観光ブームでさらに発展したが、旅行形態の多様化に伴い施設の老朽化が進んだ。 転機は2020年7月の豪雨である。玖珠川の氾濫により温泉街は甚大な被害を受け、当時14軒あった旅館のうち8軒が浸水・配管破損・泉源埋没などの打撃を被った。高台の旅館は営業を再開する一方、川沿いの複数の宿は廃業を余儀なくされた。復興にあたり、玖珠川の河川改修に伴う30件以上の施設移転が必要とされているが、2024年時点で立ち退き交渉は進まず、廃業したままの建物が温泉街に取り残されている状況が続いている。