
別府地獄めぐり
大分県別府市に広がる「別府地獄めぐり」は、観光地として知られる一方で、古くから怪異な噂が絶えない場所としても語られている。深夜に血の池地獄の周辺を訪れた者が、赤く染まった水面に人の顔のような影が浮かぶのを目撃したという体験談がネット上に多数投稿されているとされる。また、かまど地獄や鬼山地獄の付近では、閉園後に女性の泣き声や呻き声が聞こえてきたという噂が地元でも囁かれており、霊感の強い人物が訪れると強烈な頭痛や吐き気に見舞われるとも言い伝えられている。「地獄」という名が示すとおり、かつてはこの地で命を落とした者の霊が今も彷徨っているのではないかと話す地元住民もいるという。 この地の歴史は古く、「地獄」の名は8世紀の『豊後国風土記』にすでに登場する。当時の人々はこの湧出地を「赤湯」「玖倍理湯の井」と呼び、近づくことすらできない荒涼の地として認識していたと記録されており、その不気味な印象は現代にも受け継がれている。現在の地獄めぐりは海地獄、血の池地獄、龍巻地獄など7か所を巡るコースとして整備され、湯温95〜98度、毎分2,000リットル以上が噴き上がる源泉群は見学用として観光地化されている。コバルトブルーや深紅など異彩を放つ泉質の数々は、美しくもどこか異界を思わせる光景として訪れる者を圧倒するとされる。

