
谷瀬の吊り橋
奈良県十津川村の谷瀬地区と上野地地区を十津川(熊野川)で結ぶ吊り橋で、1954年に完成した。全長297.7メートル、水面からの高さ54メートルを誇り、完成当時は日本最長の生活用吊り橋として知られた(1994年に竜神大吊橋にその座を譲った)。建設以前、住民は谷を下って丸木橋を渡らねばならず、その橋は洪水のたびに流失していたため、集落の各戸が工費の大半を出し合い、悲願として架橋を実現させたと伝わる。 橋の入口向かいには、橋からの転落で亡くなった人を供養する地蔵が置かれている。2022年には橋の下を流れる十津川に女性が転落し、キャンプ客に発見されて搬送される事故も報じられた。こうした背景から、橋やその下の河原では若い女性、中年男性、老女とされる人影が見られるという噂が各地の紹介記事で紹介されており、下流のキャンプ場に遺体が流れ着いたことがあるとも言われている。また、明治22年(1889年)に十津川流域を襲った大水害では周辺の村々で多数の死者が出ており、この記憶が橋にまつわる噂と結び付けられることもある。