
奈良県道57号線
奈良県生駒市を縦断する県道57号線の一区間は、生駒山系の山裾を抜ける曲折の多い道路で、視界が限定される峠道のような性格を持ち、勾配と急カーブが続くことで地元のドライバーに知られてきた土地である。高度経済成長期以降の交通量の増加とともに事故が複数報告されてきた背景があり、地元のドライバーの間では深夜の通行が敬遠される時間帯のある道として、長く静かに語り継がれてきた区間であり、沿道には古い地蔵や石仏も点在している。 寄せられる体験談で繰り返し語られるのは、深夜に当該区間を走行中、突然フロントガラスの前を白い人影が横切ったように見え、思わず急ブレーキを踏んだが衝突音はなく、降りて確認しても何も残っていない、というものである。バックミラーに後部座席に座る誰かの輪郭が映って慌てて振り返ったら何もいなかった、カーブの先で立ち尽くす人影と一瞬目が合った気がした、と語るドライバーもいる。 地元では、交通事故で命を落とされた方々への弔いが、沿道の地蔵や慰霊碑、近隣寺社の供養を通じて世代を超えて静かに受け継がれている。怪異の語りは娯楽ではなく、安全運転と命の重さ、夜の山道の怖さを後続世代に伝える教訓として、地域の中で大切に受け止められてきた経緯がある。 当該区間は曲線とアップダウンが続き、夜間は視界も悪く、肝試し目的の徐行や路肩停車は追突事故の確率を大きく高める。心霊目的の深夜走行は厳に控え、通行は日中に通常の交通の流れの中で行い、犠牲者への敬意を欠かさないこと。